素直に謝罪する
張遼の人間性が分かる、貴重なやり取りです。
張遼が合肥に駐屯して、すぐの頃だと思われます。
登場人物
胡質(こしつ)字は文徳(ぶんとく)
武周(ぶしゅう)字は伯南(はくなん)
将軍が軍を率いて戦に出るためには、護軍(お目付役)が必要です。
張遼の護軍は、武周です。
過去に呂布と同盟を結んだことがある臧覇が、敬愛している人物です。
張遼も、武周を尊敬しています。
その張遼と武周が、仲違いをしていました。
張遼は、揚州刺史の温恢に、胡質を貰い受けたいと願いました。
ところが、胡質は、病気を理由に、断っていました。
このままでは戦に出られないので、張遼、直接胡質に真意を聞きに行きました。
張遼「僕は、あなたに身を委ねているのに、どうしてそっぽを向くの?」
胡質「(省略)武伯南はとても優秀な人物であり、過去には将軍(張遼のこと)も称賛しておられたのに。今は、わずかな(目つきが悪いからという理由で)恨みから憎しみ、仲違いをされてしまいました。私は才能がないのに、どうして最後までつきあえましょうか?私は気が進みません。」
胡質の話に感じ入った張遼は、ふたたび武周と仲良くなりました。
※ちくま正史三国志の日本語訳をちょっぴり変更しました。
☆原文
將軍張遼與其護軍武周有隙。遼見刺史溫恢求請質,質辭以疾。
遼出謂質曰:「僕委意於君,何以相辜如此?」
質曰:「(省略)武伯南身為雅士,往者將軍稱之不容於口,今以睚眦之恨,乃成嫌隙。況質才薄,豈能終好?是以不願也。」
遼感言,復與周平。
ゲームや漫画などでは、優等生なイメージが強い張遼ですが。
史実の張遼は、当時の武人らしく『舐められたら殺す』的な感情を持っていたんですね!
人間らしくてとても良いと、けろりっちは思います♩
胡質に、遠回しに『あなたとは付き合えませんよ』と言われてしまいましたね。
胡質の話を聞いた張遼、素直に反省して謝罪したのかな?
武周と仲直りできて、よかったですね(*^^*)
ところで。
護軍を担当する者は、賄賂を要求していたそうですので。
胡質が賄賂大好きな守銭奴だったら、武周との確執は無視してたかもね?(胡質は、もらった給料や褒美を、配下や民に分け与えていたのか、貯金や蓄えがほぼなかったそうです。)
それか、賄賂を受け取ってまで、張遼とは付き合えないと思ったか。
また、賄賂自体、受け取らない主義だけど、張遼とは付き合えないと思ったか。
どちらにせよ、張遼は、悪いことを悪いと指摘してくれる人物に出会えて、よかったですね!
今回のまとめ
☆張遼の周囲の人物は、みんな優秀。
☆張遼には『舐められたら殺す』の精神がある。
(本当に殺すわけにはいかないので、視線を合わさなかったり同席を避けるなど関わらないようにしてるかも)。
☆張遼には、悪いことは悪いと指摘してくれる人物がいた。
☆張遼は、自分が悪いと気付いたら、素直に謝罪できる。
張遼の人間性が分かる、貴重なエピソードでした!╰(*´︶`*)╯
【護軍について 】けろりっちが認識している護軍について書きました。
参考にしたもの
ちくま正史三国志(ちくま学芸文庫)
4巻[魏書Ⅳ]胡質伝
中國哲學書電子化計劃(中国哲学書電子化計画)